林檎園
Instagram post by Twoeyes • Oct 7, 2019 at 11:00pm UTC
林檎狩りの一番の楽しみ、それは
歩くたび、あちらからこちらから、
やって来て、混ざり合う、匂い。
枝にぶら下がった果実、
その下の瑞々しい下草、
そして、下草の上で熟して朽ちていく果実の、濃密な甘やかな匂いが、
風の具合によって、陽の陰りによって、
刻々と変わる。
それは波のように引いては寄せ、
渦のように回転する。
香水瓶の中にいるみたいだ。
陽に温もった林檎を齧ると、瑞々しい甘酸っぱさが口いっぱいに広がる。
外からの匂いに合わせて、口の中の林檎が踊っているようだ。
この匂いの記憶は、海馬にしっかりと刻みつけられるようだ。
思い出すだけでたまらなくなる。
願わくは今年もう一度行きたい。